ラーメン二郎の世界(その2)

こんにちは、城南住宅衛生の折原です。弊社のホームページをご覧いただいてありがとうございます!

前回に引き続き、昔を懐かしんで「ラーメン二郎三田本店」のお作法の話し。ちなみに今の三田本店のお作法とは違いますので、あくまで昔の話としてです。

ラーメン二郎の店内には壁にメニューが書かれていました。確か「ただのラーメン」「ブタ入りラーメン」とかです。でも客は決して「ブタ入りラーメンください」とは言わないのです。

二郎は呪文のようなオーダーのしかたをします。これが他のラーメン店とちょっと異なる点といいますか、敷居を高くしている要因なんでしょうね。本店ではこれを言うときが最も緊張する瞬間です。逆にこれをしっかりと唱えることができると「ラーメン二郎ワールドの仲間入り」的な感じがしました。

麺が茹で上がってどんぶりに注がれて具材が乗せられた頃、不意にその瞬間は訪れます。

おやじさんが言います。「はい、左の人、なに?」

これを解説しますと「それでは左のお客様、トッピングは何になされますか?」です。

その際、これまた焦らず、タイミングよく、滑舌よく、しっかりした声量で「呪文」を言います。最大のポイントはリズムです。二郎には独特のリズムがあり、そ れを乱すものはお客さんからにらまれます。なぜならおやじさんは、客が「呪文」を唱え始めるや否やそのトッピングを正確に施していくからです。「ごもごも言ってなんだかわからないと適当にトッピングされてしまう」という都市伝説もありましたので、みんな真剣です。

「ショウダブル ヤサイカラメ」
「コブタ アブラヤサイカラカラニンニク」
「ダイダブル アブラカラメタマゴ」

などなど。この伝統はのれん分けした今の二郎にも通じるものがあります。

解説いたしますと、上から

「私の麺の量は小です。そしてブタと野菜は増量してください。スープの味は濃くしてください」
「私の麺の量は小です。ブタは普通でいいです。脂と野菜を増量してください。スープの味はすごく濃くしてください。そしてにんにくを入れてください」
「私の麺の量は大です。ブタと脂は増量してください。スープの味は濃くしてください。そして生卵を入れてください」

です。

ちなみに二郎の格言でこんなのがあります。

「二郎はラーメンならず。二郎という食べ物である。」

誰が考えたか知りませんが、なかなか的を得ています。ラーメン二郎はかなり個性の強いラーメンなんですね。

まず、あの麺。最近よく聞く多加水麺とまったく正反対の「太くてごわごわした麺」。最初食べたとき、「なにこれ?」って思いました。変な味だし。これって小麦粉の風味なんでしょうか。今でもよくわかりません。自家製麺だそうで、なんとなく麺の太さもムラがあったりします。(二郎は「適当」も特徴です。)ちなみにほかの麺で一番近いなと思ったのは沖縄ラーメンです。

そしてスープ。背脂たっぷりのトンコツ醤油ですが、甘さが感じられるのは多分キャベツとかの野菜を多く煮込んでるんでしょうが、他にもポイントはあるようです。実は厨房でラーメンを作っているところを見ていると、どんぶりにこれでもかっていうほど「白い粉」を入れます。昭和生まれの人が大好きな「あれ」です。ハッピータンにもたっぷりついてますね。

友達に「実は味の素をたっぷり入れたら二郎の味になるのでは?」という人や「ラーメン二郎の中毒性はあの白い粉にある!」という人もいました。

今、時代は「無加調」ブームですが、二郎に限ってはそんな無粋なことを言ってはいけません。

ブタも特徴的ですね。営業中もずっと作り続けているようで、たまにずんどうの中からタコ糸で結ばれたブタ肉を取り出して、タレに漬ける風景を見かけます。そして何しろ切り方が適当です。決して機械で切ることなく手切りです。「厚さは何ミリ」と決めるなんて無粋なことは言ってはいけません。食感もえらい固かったり、すっごく柔らかかったり適当です。またその量に圧倒されます。二郎では「コブタ」で4~5枚、「ダブル」だと8~10枚入ってます。なにせ適当ですからえらい分厚かったりもします。先日、数十年ぶりで三田本店に行きましたがコブタですら食べきれませんでした。昔はダブルを食べられたのに。。。

ラーメン二郎で最も崇拝される注文があります。これがオーダーされると周りのお客さんが必ずざわつきます。

「麺増し」

そもそも麺の量で「大」を食べると、ほぼその1日は何も食べなくていいほど強烈な量なのですが、それを超える、想像を絶する量が「麺増し」です。2回ぐらい目撃したことがありますが、客が「麺増し」をオーダーすると、おやじさんはぞうきんという名の「コースター」を渡してくれます。これを敷かないとスープがこぼれてテーブルが汚れるからです。

また、こういう都市伝説がありました。ある客が麺増しがあるんだからと考えて「ブタ増し」とオーダーしたら、おやじさんから、

うちは肉屋じゃないんだから

と一蹴されたという話。真偽のほどは分かりません。。

またこんなイタズラもありました。何も知らない新入生に大学の先輩が「ラーメン二郎にはメンマCというメニューがあるからそれを頼みなさい」と。メンマC=麺増し。。

さて、せっせと食べ終わったらお会計です。今でこそ食券制ですが、昔はテーブルの上にジャラ銭が置いてあって自分でそこからお釣りを持っていくという、超アバウトな会計方法でした。で、必ず置いてある雑巾で自分のテーブルをきれいにしたのち、自分が入った入り口から出ていきます。

懐かしい昔のお話でした。あぁ、無性にラーメン二郎が食べたくなってきました。。。

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